[映画]ブルー・ゴールド-狙われた水の真実 【社会司牧通信154号】 |
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まだ、分かりづらいだろうか? 「水」を例に、具体的に説明しよう。国境を越えて「水資源」が売買されるようになった結果、第三世界の貧しい人々は、ますます水が手に入りにくくなっている。これが「水のグローバリゼーション」の悪影響だ。水が豊富だと言われる日本の人々には、にわかに信じられないだろう。この問題について、徹底的に調べたドキュメント映画が『ブルー・ゴールド』だ。 「ブルー・ゴールド(青い金)」とは水のこと。水が金と同じ富の象徴であることを示している。登場人物の1人は、「時代はブラック・ゴールド(黒い金=石油)から、ブルー・ゴールドに代わった」と語っている。つまり、20世紀は石油が最も重要な資源で、石油をめぐって戦争になったが、21世紀は水が最も重要な資源となる-というのだ。 |
たとえば、プラスチック・ボトル入りのミネラル・ウォーター。水道が普及していない発展途上国に行った人なら分かると思うが、ミネラル・ウオーターはコカ・コーラよりも(場合によってはビールよりも)高い値段で売られている。また、発展途上国だけでなく先進国でも、水道事業が民営化されるケースが増えており、民営化された水道料金は例外なく値上がりする。さらに、砂漠化が進行する国々は、海水の淡水化プラントに膨大な資金を投入する。このように、水は有望な商品となっているのだ。 日本も無関係ではない。ミネラル・ウォーターのはもちろんだが、「仮想水」(バーチャル・ウォーター)も、日本は大量に輸入している。つまり、大量の水を消費して生産された農産物を輸入することで、私たち日本人は外国から大量のバーチャル・ウォーターを奪っている。輸出用の作物を作るために、大量の地下水をくみ上げた発展途上国の土地は乾燥し、人々から水が奪われるのだ。 【 社会司牧センター柴田幸範 】
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