【社会司牧通信 138号 2007/6/15】
●死刑執行に抗議する

 【 死刑執行(4/27)への抗議声明 】
 4月27日、カトリック信者・田中正弘さんを含む3名に死刑が執行された。これに抗議して、「死刑を止めよう」宗教者ネットワークが抗議声明を発表したほか、ネットワーク加盟団体のイエズス会社会司牧センターも抗議声明を発表した。同日午後、司法記者クラブで死刑執行に抗議する記者会見が行われ、柴田幸範(イエズス会社会司牧センター)は、他の2団体の代表と共に参加した。


 【 死刑に反対する6月共同行動 】
 昨年12月25日の4名の執行に続き、長瀬法務大臣による2度目の執行に、死刑廃止運動の関係者は危機感を強め、5月13日(日)午後6時から東京で、死刑執行に抗議する集会を開催した。参加者は約90名。キリスト教関係者も多数参加した。席上、死刑執行の流れを止め、死刑廃止運動をさらに前進させるため、「Stop! 死刑執行―6月共同行動」が広く呼びかけられ、「死刑を止めよう」宗教者ネットワークも参加することになった。
 6月2日(土)午後2時からは、東京で、[Stop! 死刑執行 東京集会]が開催され、100名を超える参加者が集まった。集会後、東京拘置所に抗議デモを行った。6月16日(土)午後2時からは、長勢法務大臣の地元、富山で、[Stop! 死刑執行 富山集会]が開催される。


 【 第9回死刑廃止セミナー 】
 冤罪死刑事件である「福岡事件」の再審を求めるキャンペーンのために5月26日に来日した米国のシスター・ヘレン・プレジャンを迎えて、「死刑を止めよう」宗教者ネットワークの第9回死刑廃止セミナーが、5月28日(月)午後6時半から福岡・大名町カトリック教会で開かれ、約50人が参加した。「宗教者と死刑廃止-米国の体験から」と題した講演で、シスター・プレジャンは、自らの体験を踏まえて、「加害者/死刑囚」と「被害者・遺族」の両方に手を差し伸べ、どちらの苦しみも真摯に受け止め、和解と癒しを模索する、キリスト教信仰に基づいた取り組みについて熱く語った。
また、「力」で犯罪を押さえ込もうとする死刑という制度は、「テロに対する戦争」と同じように暴力の連鎖を生むとして、平和と命を愛する日本人が、早く死刑を廃止するよう訴えた。
 なお、このセミナーの最後には、福岡在住で、冤罪死刑事件「袴田事件」の元裁判官、熊本典道氏も発言し、冤罪が生まれる背景と、袴田巌さんは無罪だという信念を、熱心に語った。


●イエズス会社会司牧センター
設立25周年 記念誌
 ご承知のように、イエズス会社会司牧センター・東京は昨年、設立25周年を祝った。その記念講演会・交流会から1年ほど遅れて、この度、「イエズス会社会司牧センター・東京 設立25周年記念誌」を発行した。
 A4判52ページの記念誌では、25年にわたるセンターの活動をまとめているほか、センターの歴代スタッフのエッセイや、センターにゆかりの深い方々からの寄稿も掲載されている。
 記念誌は発行部数にかぎりがあるため、当センターと特にゆかりの深いイエズス会員・友人の方々に、社会司牧通信に同封してお送りした。また、イエズス会員については、その他に各共同体の院長宛に一部ずつ同封させていただいた。記念誌には多少の残部があるので、ほかにもご希望の方がいらっしゃれば、当センターまでご注文いただきたい。
 今後とも、イエズス会社会司牧センターの活動にご理解・ご協力、よろしくお願いします!
【イエズス会社会司牧センター/柴田幸範】