CLC(クリスチャン・ライフ・コミュニティ)について
岩田鐵夫(カトリック麹町教会)
 CLC(クリスチャン・ライフ・コミュニティ)は、聖イグナチオ・ロヨラの霊性を源泉として、祈りと分かち合いによって、キリスト者としての生活を整え、教会と社会に奉仕しようとする信徒の団体です。
 CLCは400年の歩みがあり、第二バチカン公会議の後、信徒の使徒職が見直されたのを機にコングレガチオ・マリアーナから刷新されて来年で40周年を迎えます。現在では58ケ国に約5万人の会員がいます。日本には北海道から九州まで、現在30のコミュニティがあり、約200人の会員がいて日本CLCとして組織的な活動をしています。各会員は、数人の小さなグループに所属し、1カ月に1~2回程度、定期的な集まりを持ち、生活をていねいに見直して、それを仲間と分かち合い、共同体的な絆を深めます。また、日常生活の中で、あるいは黙想の中で、聖イグナチオの霊操に基づく祈りを体験し、自らの使命(ミッション)を見出し、それを選び取り(識別)、教会と社会に奉仕するように招かれます。
 日本CLCでは21世紀始めに、基本的なヴィジョンを定め、「ミッション21宣言」として次のように発表しました。
「私たち日本CLCは/主イエスのミッションを生きています。私たちのカリスマであるコミュニティづくりと霊操をとおして。/貧しく謙遜なキリストに従っていきます。まわりの価値に振りまわされることなく自分の弱さを受けとめながら。/今、この現実から家庭・教会・社会・世界を、キリストの福音によって変えていきます。特に貧しく弱い立場の人々と共に。」
 CLCの生き方を自分自身で歩みたいと願う人たちには、段階に応じた「誓約」の道があります。自分の属する小コミュニティとの「かかわりの約束」を第一歩として、CLCの生き方を体験的に歩む「有期誓約」、そして、生涯にわたってのCLCの生き方を選ぶ「永久誓約」があります。「誓約」はどちらもCLCの仲間の前で、神にその意思を表明します。日本には永久誓約者が現在57名います。
 会員の霊的な成長を助けるために、日常生活の祈りを支え、宿泊霊操を北海道から九州に至る各地で企画し実施しています。またCLCの生き方を深めるために、現在は教会助言者としてイエズス会司祭英隆一朗師の協力を始めとして、霊操指導・グループのガイドなどイエズス会からの密接な協力をいただいています。
 今年はイグナチオ・ロヨラ帰天450年、フランシスコ・ザビエル、ピエール・ファーブル生誕500年の記念の年です。この時に世界CLCの副教会助言者であるアルベルト・ブリト師を迎え、日本CLC全国大会を9月16日から18日まで「殉教の地」長崎県の雲仙にて行えたことは大きな喜びです。熱湯煮えたぎる雲仙地獄のあずまやで行った野外ミサは、台風13号の接近に伴いミサ後半からは風雨も強くなりましたが、参加者はみな深く感動し、かえってより強く殉教者を思い起こし、厳しさに立ち向かう勇気をいただいたようでした。また、アルベルト師は、全国大会の他に、北九州、広島、横浜、東京の各地区のメンバーと集い、世界CLCの風を吹いていかれました。アジア、そして世界のCLCとのつながりをいっそう感じ取り、思いを新たにしたメンバーも多かったことと思います。