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アグネス・ガッパタン(CTIC) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本には200万人近くの外国人移住者が在留しています。既にご存知とは思いますが、日本に居住する外国人の実態を、あらためて示させていただきたいと思います。
グラフを見て日本人以外の居住者の大多数が韓国・北朝鮮及び中国からの人たちだとおわかりでしょう。しかしながら、彼らの多くは戦前または戦中に来日した「昔からの在日」です。このグループの歴史的背景はよく知られていると思いますが、その後に「新しく来日した人たち」に関しては、多くはフィリピン、ペルーや他の南米諸国からです。 次の表は日本の在留資格別外国人居住者人数を示すものです。39%が永住者で19%が日本人の配偶者です。あとは全員が特定の職業や仕事の下に登録されている人たちです。 |
出典:外国人登録者統計について(日本在留外国人統計)
入国管理局 法務省(2005年7月) |
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私は今晩日本にいる移住者の状況について皆様にお話するよう頼まれました。このことについての「専門家」ではないのですが、私が移住者たちと共に何年か働いて経験したことを、一生懸命皆様と分かち合いたいと思います。
定義によれば、『移住者』とは、ある地域や国から別の地域や国に移動する旅人、または仕事を見つけるために定期的に移動する人の意味です。それで『移住者』はよく『移住労働者』(出稼ぎ労働者)と思われがちです。日本人以外の在留外国人のことを、先ほどお見せした資料に基づいて話題にすれば、この人たちの中の誰が『移住者』といえるでしょうか? 次の表をご覧ください。
出典:厚生労働省
この表は日本での外国人労働者の数を示しています。「就労が許可され得る種類のビザ」を発行された労働者の総数のなかで、割合が一番高いグループはエンターテイナー(芸人)です。下方に特定活動と学生のパートタイム職(アルバイト)と日系人及び超過滞在の外国人を加えました。この表をさらに要約すれば次のようになります。関西学院大学教授 井口 泰氏による推計 |
私は二つの特別なグループのことに触れたいと思います。どうして日本人の配偶者を移住労働者の資料に加えたのでしょうか? それは、この人たち自身が就労者のビザを持っていなくでも、多くが興行産業を経て来日し、日本人と結婚しても大部分がいまだにクラブでエンターテイナーとして、あるいはレストランでの皿洗いや、ホテルのベッドメーキングなどをして働いているからです。働き続けて、フィリピンにいる家族に仕送りをするのです。 |
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注目したいもう一つの移住者グループは、船員です。 勤務の性質上、普段、町で見かけたり会ったりすることの出来ない移住者です。けれどもいろいろな国から日本各地の港に毎日かなりの人数の船員が来ているのです。
ひとたび日本にやってくると、彼らは様々な難しい状況を体験することになります。文化や風習、言語、働き方などの違いに苦労し、寂しさや孤独感、無力感など感情の問題になやみます。自分自身が根ざしていた文化から引き抜かれ、どのように新しい環境に意義を見出すかに困難さを感じます。しかし、ただ出来るだけ多くのお金を稼いで故国の家族に送金するために、懸命に日本に適応しようと努力します。 雇用契約または在留許可期間が終わる前に、彼らはさらに滞在を延長する他の手立てを探します。雇用されていた女性が6ヶ月間の契約を超えて残留する唯一の方法は、興行主から逃れて友だちのもとに身を寄せ、不法滞在のエンターテイナーを受け入れる別のクラブを見つけることです。 もう一つの方法は日本人と結婚してビザの資格を「日本人の配偶者」に変更することです。結婚は正真正銘の場合と、ビジネス上の協定の場合―すなわち50万~100万円を毎年日本人の男性に払って女性が入管からビザを出してもらうもの―とがあります。場合によっては、急ぎのルートの結婚で相手が本当に誰かも知らず、いったん同居しても、お互いに見知らぬ人のこともあります。日本の胎児認知制度や出産後の認知制度も知らずに、妊娠すればビザがもらえると考えてしまう女性もいます。一方で不法超過滞在の男性たちは職を転々と変えて、見つかって捕まらないように祈っています。工事現場で働いている間に、時に事故にあったり、病気になったりすることがあります。ビザが切れてしまっているので、入院すると多額の費用が必要となり多くの場合支払いが出来ません。病気が重いと、彼らはたいていの場合、家に帰ることを選びます。 その一方で女性たちはなんとか結婚生活を守ろうとベストを尽くします。けれども文化の違い、結婚の動機の違い、その他様々な要因でこうした結婚のほぼ50%が離婚に終わると推定されます。結婚生活を持ちこたえられた人たちは、日本に長期滞在して永住の資格を得ます。離婚したが子どものある人たちは、ビザを更新して働き続けることが出来ます。しかし、離婚して子どもがいない人は、別の日本人男性を見つけて結婚するか、職を得て不法残留するか、または母国に帰って近所の人たちから「失敗者」として見られる恥に耐えることになります。 |
「いまや先進国が直面しているのは移住者を受け入れるかどうかの問題ではなく、唯一の問い、『いかに移住者が受入国で積極的・建設的な役割を果たせるように移住が確保運営されるか?』に答えることです。受入国の移住者対応に関する法制度、行政制度をいかに整えて改良してゆくかが、ここに含まれます。ヨーロッパ諸国とアメリカはこれについて合意しています。日本はこれらの国々より遅れています。しかし、遅れたがゆえに諸国の先例と経験から学んで、日本は良い対策を選ぶことが出来ると思われます。 国連のレポートは、日本人口の老齢化に伴って、人口と生産力を支えるために、年間60万人の移住者を受け入れる必要があるとしています。もし入国管理局の推計が正しくて20万人の超過滞在者がいるとすれば、彼らの存在はこの社会で最もよく知られている秘密です。もし、どこかほかに働ける職場があれば、彼らは自発的にこの国を去って帰国するか、もっと青い牧場を探すでしょう。けれど日本の政府はこの現実を支持しませんし、まるでかれらはいないかのように振舞います。このような人たちはよくトラブルに巻き込まれた時、たとえば女性が家庭内暴力の犠牲になって警察に訴えると、入管法の違反者としかみなされず、被害者として扱ってもらえません。警察から入管に通報され、入管はただ彼女を強制送還して帰国させてしまいます。 政府に望みたいことは、第一に、移住者は当然必要であることを認めて受容すること、そして、彼らがいろいろな面で積極的に日本の生活に貢献できるように、日本の社会に統合するのを助けることです。国連が準備したレポートは結論として、受入国への移住者の統合は次の領域にかかっているとしています:法的な身分資格、国語の言語力、適正な給料が支払われる仕事を見つける能力、市民生活への参与、そして社会サービスを受けられる権利。 |
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このチャレンジを受け入れた多くの国は、現在、移住者の統合に関する方針とプログラムを立てています。受入国の地域社会の人々も、移住者の自国への積極的貢献を進んで認めて支持してゆくべきでしょう」。
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ここに提案したことはどれも、多くの時間と創造性と技術を必要とします。真に多文化が共生する教会を築きあげるのは、一朝一夕でできる仕事ではありません。その道のりは遠く、歩みもゆっくりです。私たちは共に短期・長期の司牧計画を作り、体系づけ、考察し、協調して努力する必要があります。日本人と外国人の信徒がお互いにできるかぎり助け合い、献身しなければなりません。おそらくこれまでの組織と活動スタイルはもう通用しないでしょう。新しい「教会のありかた」を見出す旅路を、みなさんと一緒に歩んでいきたいと思います。
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