阿部 慶太(フランシスコ会)
 
 この4月まで、国連のNGOの日本支部の事務局の仕事を兼任していました。それは、フランシスカンズ・インターナショナルという名前で、人権、環境、社会正義に関することに取り組む、世界中に支部があるNGOです。
 このNGOは1995年から、国連が広範囲に話し合いを行う相手である経済社会理事会(ECOSOC)の諮問機関のなかでも、直接会議などで発言できるカテゴリー1といわれるグループに属しており、現在まで国連の環境に関する会議や人権関係の会議に対し、意見を述べ文書を提出してきました。
 例えば、1996年の世界食糧サミット、同じく96年の国連人間居住会議(ハビタットⅡ)、99年の国連人権委員会等などへの参加です。最近の大きな動きでは、発展途上国の国際債務帳消しを求めて1,700万人分の署名を集めたキャンペーンなどがあります。


 総本部の動きだけをみると、何か遠い世界で、自分達とつながりがないような印象を受けますが、各国にある支部は先に述べた、人権、環境、社会正義に関することについて、その国や地方の中で必要な事柄に取り組んでいます。
 つまり、総本部は国連と関係を持っているが、支部はそれぞれ地域に根ざした問題に取り組んでいるわけです。その中で、特に発展途上国などに多い人権侵害や必要以上の環境破壊など、支部ではどうにもならない時に、総本部と連帯して国連などに訴えてゆく、という連携をとっているのです。

 日本支部の場合、まだ、そうした国連まで持ってゆかなくてはならない事柄はないのですが、日本支部の会員が働く発展途上国で人権や環境問題に関わるグループを支援することや、環境問題に取り組む他のNGOとの連帯や平和運動と連帯することなどが、主な活動です。
 例えば、フィリピンの少数民族支援と生活改善プログラム、諸宗教との対話や平和を祈る集会の企画運営、末期エイズ患者のホスピス支援と反アパルトヘイトのキャンペーン、宗教文化をこえた人道支援(イスラム圏の障害者支援)等など、日本支部の会員が直接関わる活動について、事務局のスタッフが報告会やキャンペーンを会員に呼びかけて、支援金をつのったり現地の現状を知ってもらう、といったことです。


 日本だけでなく、他の多くの国の支部も、先に述べた、国連の人権委員会などに訴えなければならない問題以外にも、地域で活動したり、地域のために働く会員によってその活動が支えられています。日本支部の活動に興味を持たれ、参加したい方は、日本支部までお問い合わせ下さい。
 また、こうした関わり方にとどまらず、直接ジュネーブやニューヨークの総本部に関ってみたい、または直接総本部の会員になって、何かの活動がしてみたい方は、支部の会員としてではなく、総本部に直接登録することも可能です。そういった意味でフランシスカンズ・インターナショナルは、誰でも参加できる国連のNGOといえます。
 なお、直接総本部の会員登録を希望する方は、会費、詳細については、ここ数年多少の修正があったので、直接本部事務局に確認することをお勧めします。


●フランシスカンズインターナショナル本部
http://www.franciscansinternational.org/
●フランシスカンズインターナショナル日本支部
http://fi-j.swee.to/