社会司牧通信  No.86  98/10/15
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      ボランティア教育の現場から(2)

広島学院のボランティア活動
 
外川 直見(広島学院ボランティア活動担当)
  本校でのボランティア活動は、創立の頃から養護施設「八幡学園」との交流や、西条の「太陽の園」でのワークキャンプなど、さまざまなかたちで行われてきました。現在、ボランティア担当教員のもとでの活動以外に、学年、生徒会の活動、個人的活動など多様なかたちで行われています。
1、全校、学年での取り組み
  1. 昨年より12日間の「フィリピン体験学習」を始めています。15名の高校生がマニラ市とナガ市にある姉妹校を訪問しました。その間、近くの諸施設も訪問し、さまざまな人との交流を深めました。養護施設、老人ホーム、精神病院、難民共同体、ハンセン病療養所、スラム街などを訪問し、苦しみの中にある人々の生きる力に触れることができました。

  2. 広島市主催の「障害児と健常児とのふれあいキャンプ」に毎年参加し、60名程の障害児たちと1泊2日を過ごします。20名ほどの中学生は健常児として、30名ほどの高校生はヘルパーとして参加しています。

  3. 高校1年の企画/養護施設「八幡学園」の児童約60名をクリスマスの日に招待し、ノートルダム清心高校の生徒たちとともにクリスマス会を企画します。前もって全校生徒に募金を募り、昼食やプレゼントなどの費用とし、当日はゲームやスポーツを楽しむ一日です。

  4. 中学3年の企画/年末に市内各所で募金活動を3日間行います。市民の協力も大きく、集められた金額は西条の授産施設「太陽の町」やネパールの大木神父(イエズス会)の障害児施設の援助、フィリピンの子どもたちの奨学金などにもなります。

  5. その他、ホームルームの時間に車椅子体験、手話の講習などを始めました。ホームルームの活用を大きくしたいと思っています。
2、生徒会主催の活動
生徒会には奉仕委員会があり、地味ですが生徒たちに呼びかけて活動しています。
  1. 校内で献血を呼びかけ、150名ほどが参加します。

  2. 養護施設「光の園」のバザーに参加し、古本市やゲームコーナーを手伝います。また学院の文化祭で古本市を開き、収益を「光の園」に寄付します。

  3. 中学生徒会主催で近くのバス停車場付近を毎月2回清掃します。

  4. ユニセフ募金、あしなが募金、緑の羽根募金などを校外、校外で行い、有志が協力します。去年秋には大阪の釜ヶ崎の要請に応えて米を集めて送りました。

3、GSS(Gakuin Service Society)/約15名
 阪神大震災のときに有志で結成されました。何かの要請があればできるだけ協力しようという気持ちで続いています。
  1. 学院の近所にある古田児童館の諸行事に参加します。おばけやしき、スタンプ・ラリー、クリスマス会、卒業式パーティなど、近所の子どもたちと遊ぶ機会です。

  2. ダウン症の子どもたちのお絵描き教室に参加、養護施設「八幡学園」の訪問、作業所の障害者たちの海水浴の手伝いなどがあります。

4、大道芸グループ「ジャグレンジャー」/約5名
子どもたちを楽しませるためにと生まれてきたのがジャグレンジャー(「ジャグリング=曲芸」と、子ども向けTV番組のヒーロー「○○レンジャー」の合成語)です。毎日暇があれば練習を重ね、上記のようなさまざまな機会に出動します。このごろは社会福祉協議会やいろいろなグループからも出演要請(?)が来ています。
5、その他
 ネパールの大木神父を訪問し障害児たちと交流したり、夏休みに社会福祉協議会主催の保育体験学習会に参加する高校生もいます。古切手、使用済プリペイドカードを収集するクラスもあります。


 以上のように全校的活動から小グループ活動まで多くの生徒が参加しています。善意の生徒は多く先生方も協力的ですが、参加生徒は生徒会やクラブ活動にも多忙で、一般生徒はまだボランティア活動に感心がうすいの実情です。機会を増やし奉仕する心を育てるように努めたいと思います。  以上のように全校的活動から小グループ活動まで多くの生徒が参加しています。善意の生徒は多く先生方も協力的ですが、参加生徒は生徒会やクラブ活動にも多忙で、一般生徒はまだボランティア活動に感心がうすいの実情です。機会を増やし奉仕する心を育てるように努めたいと思います。