また、家族内での夕の祈りも熱心に行われています。ブルキナファソの人々が朝交わす挨拶には、「神様が今日一日を祝福してくださいますように」「神様の平和がありますように」「神様はあなたといつも一緒」といったものがあり、生活習慣の中に神様が生きています。畑仕事をする時にも神様を賛美する歌を歌いながら働いています。
西アフリカ全体で、司祭や修道女の召命は12歳頃から芽生えます。各修道会では小学校卒業と同時に養成の家に受け入れています。自分の村や家族から離れて自分の希望する修道会の養成の家に住み、その家から中学・高等学校に通学するケースが多く見られます。養成の家に入所するには各教会の司祭の紹介が必要です。 |
私の修道会も西アフリカに2ヶ所の養成の家があり、若者たちが将来私たちの修道会のメンバーになるため、共同生活のうちに学び、祈りながら、自分の召命の見極めをしてます。この共同生活の中で、食事、掃除、祈りなどそれぞれについて、週ごとに当番で責任者を決め、当番制で全員働きます。
最初の段階では、学校を卒業するための人間的、社会的知識を深めることを目的としていますが、2週間に一回、定期的に養成担当の責任者と出会い、自分の現在の召命に対して感じていること、考えていること、学校生活、養成の家での他者との交わりにおける喜びと困難、神様との日々の出会いなどを分かち合うと同時に、日曜日には「祈りについて」「キリストについて」「聖母マリアについて」などテーマに沿った話と分かち合いを通して、キリスト者としての生き方を深めています。 |
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夕の祈りは全員一緒に、担当者を決めて行っています。この時に聖書の分かち合い、自由な祈りなど生活を生かした祈りを行っています。夏休みには人間的あるいは霊的なテーマを取りあげて10日間の講習を行い、各学期の終わりには3日間の黙想会を行っています。
高校卒業後、本当に私たちの修道会に召されていると思う若者は、一年間私たちの共同体で実習をします。彼女たちは私たちの修道会の生きた生活を直接体験し、私たちも彼女たちの召命への心を育て、識別を育てていきます。その後、養成の家とは違った場所にある修練院で2年間の修練期を始めます。1年目は人間的課題(社会問題の理解)、心理的課題(自己発見、他者との関わり合いにおける心理)、霊的課題(聖書、神学、教会と私たちの修道会の歴史、教会の神秘や秘跡論など)についての講話を受け、それについて討論し、考察します。土曜・日曜には司牧体験(子どもの土曜・日曜学校、コーラス・グループや青年グループ、祈りのグループの指導など)をしています。 |
さらに、祈りの体験、共同体での霊的・人間的交わり、共同作業、修練長との定期的出会いなどを体験していきます。
2年目には、各自の能力と希望により、1週間に3日間、社会福祉の体験(栄養失調センターでの手伝い、ハンセン病の人の訪問、エイズ患者への定期的訪問、近所村の病人の訪問)をしています。これらの活動を通して、幅広く自分の召命を深めるプロセスを生きていきます。
2年間の修練の後に、修練者は初誓願をたてます。初誓願式の典礼も、各部族の風習を取り入れた典礼で、修練者は教会の典礼委員の信徒と一緒に自分たちで作り上げます。
10年程前から、西アフリカの多くの修道会で志願者が急増しました。1989年に開かれた西アフリカの女子修道会・男子修道会の総長・管区長会議で、 |
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修練長の養成が重要であるとの認識から、アフリカで司祭の養成をカリスマとしているある修道会の司祭に修練長養成講座が依頼されました。私もその第一回の講座に参加しました。
現役の修練長とこれから修練長になろうとしている人、合わせて30名のシスターが西アフリカ各国から集まりました。30名の国籍は15ヶ国にわたり、アフリカ人15名、外国人15名で構成されています。この30名の大きな共同体は6人ずつの小さな共同体5つに分かれ、町から遠く離れた祈りの家で、自分たちが修練者になって5ヶ月間の養成を受けました。
この講習会を通して私たちは、一人ひとりの修練者の持っているダイナミックな面-すなわち、修練長の役割とは修練者がめざしている召命の恵みを育ててゆく助け手となることであり、修練者自身が神との出会いと修練のうちに自分の召命の深さを見きわめていく必要があるということ-を学びました。召命を深めてゆくためには人間的アプローチ(伝統世界と近代世界の接点に立つ自分、経済の不安定の中にいきる自分、世界のグローバリゼーションに目を向ける自分の生き方、など)と、修道者としてのアプローチ(教会と社会における修道者としてのあかし、土着化)が必要です。
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修練長は一人ひとりの修練者の人間的、霊的な進歩を把握していかなければなりません。修練長は主人でなく彼女たちの姉として、母として、優しく彼女らの成長を見極めてゆくと同時に、召命のイニシアティヴが神様にあることを忘れてはなりません。
私は1993年から、西アフリカの超修道会的な修練・養成担当チームの一員として働いています。アフリカ人の志願者たちを、彼女たちの文化や生活体験に基づいて養成していくことが大切だと感じています。
最後に、私自身の修練長としての姿勢は、互いの自由・信頼・尊重に基づいて養成すること。一人ひとりの修練者が現在生きている霊的、人間的状況を見極めながら、召命を育てていくこと。神様からいただいた恵みに、謙遜と愛と忍耐を持って答えていくことだと信じています。 |
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