社会司牧通信  No.85  98/8/15
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      ボランティア教育の現場から(1)

栄光学園の「愛の運動」
 
大島 弘尚(栄光学園社会科教員)
 本校の「愛の運動」という奉仕活動は、創立以来多くの学園関係者に支えられて、様々なかたちで続いてきました。当初は神父を中心に、生徒と父母の協力のもとに、各地の施設訪問などが続けられていました。6年前井上潔神父のもとで、生徒の自発性に根ざした活動を目指し、「愛の運動委員会」が組織され、教員の指導のもとに奉仕活動を企画し、全校生に参加を呼びかけています。
●施設訪問
   二つ目は、「愛の運動」の最大の催しである「聖園招待」です。「聖園子供の家」の子供達を本校に1日招待してクリスマス会を行う行事で、20年以上前から続いております。愛の運動委員を中心とした実行委員の呼びかけで百名近くの栄光生が参加し、体育館やグランドで遊び、ブラスバンド部員の演奏やビンゴなどを一緒に楽しみます。
●聖園招待
  「愛の運動」の精神は、他者への奉仕という本校の基本理念の一つであり、その活動は大きく五つに分けられます。一つは施設訪問で、休日の午前中に養護施設で子供らと遊び、清掃作業など行います。昨年は藤沢の「聖園子供の家」を8回訪問し、毎回数人から二十数人の生徒が参加し、貴重な経験をしてきました。また、施設からの要望により、平日の施設の学習時間に小学生に算数などのドリル学習を教えるグループも続いています。
●復生病院奉仕キャンプ
 三つ目は、夏休みに行う「復生病院奉仕キャンプ」です。以前中村工神父は日帰りで生徒を引率していたのですが、5年前より二泊三日となり毎年二十名前後の生徒が参加しています。元ハンセン病の高齢の入院者の方から貴重な体験談を聞き、毎回感想文集をまとめています。11月の病院の文化祭にも日帰りで参加するようにもなりました。
また、フィリピンのハンセン病のクリオン島の方々の作ったカードの校内販売もいたしたおります。(今年の学校祭で、このクリオン島でのイエズス会士の活動を紹介した英文パンフレットを高校生が訳し、小冊子にして配布し、好評でした。)
●募金・献金
 四つ目は、各種の募金・献金です。毎年赤い羽根の街頭募金には多くの中学生が参加しています。学校祭での販売利益は「愛の運動」に寄付されております。さらに父母の会、各種の母の会、卒業生やその御父兄からの寄付などを合わせて、福祉施設やボランティア団体に献金しております。昨年度は本校修道院よりホルトン神父へのお花代から多額の寄付もいただき、総計 125万円を20の施設・機関に献金できました。
たんぽぽの会
 最後に、この様な生徒の活動をサポートしながら、母親による奉仕活動の組織として、清水弘神父の発案による『たんぽぽの会』も4年前より活動を始めました。「聖園招待」と「復生病院奉仕キャンプ」での食事づくりだけでなく、現在では、近隣の福祉施設に定期的に通い本格的なボランティア活動を行っています。
●愛の運動委員会
 この「愛の運動」の参加は自主性に任されています。複数の担当教員が対外的な連絡は行いますが、各企画は毎週の「愛の運動委員会」定例会で話し合い、学期中に毎月発行の「愛の運動委員会便り」と朝礼で全校生に呼びかけて参加を促します。聖書研究会や倫理担当の先生方にもご協力願っているのですが、参加者が固定化し、奉仕活動を一度もしない生徒が増えてきているのは残念です。夏休みにネパールの大木神父を訪ねたり、地域でのボランティア活動など、学校外での場も広がりつつありますが、中・高校生のうちに自分たちとは異なる環境の人々に接し、各施設のご協力のうえで、他者のために動く体験をもっともっと積ませたいと思っています。