カトリック 世界のニュース(167号)

<「腎臓の司祭」、ドナー・カード・キャンペーン開始>
(The Tablet, 9月13日)
2009年に、司牧する小教区のヒンドゥー教徒に自分の腎臓を提供し、後にインド腎臓提供連盟を設立したことで有名となった、インド、ケララ州南部のカトリック司祭が、臓器提供の意識促進のために「思いやりの行進」(human kindness march)を立ち上げた。キラメル神父は、スリスール市で2000人以上の集まった人々に向けて話し、ケララ州横断三週間行進の目標は、百万通の臓器提供承諾書を集めて、亡くなられた人の臓器が移植に利用できるようにすることであった、と述べている。

<教皇ベネディクト16世、レバノンに平和訪問>
(「アルジャジーラ通信」、9月15日)
レバノンでは、教皇訪問(9月14~16日)の安全を確保するために、14日(金)に数千人規模の軍隊が配備された。今回の訪問で教皇は、中東におけるキリスト教諸教派の一致、およびキリスト者‐イスラム教徒間の平和を強調すると期待されている。また、宗教多元主義と地域におけるキリスト者の福祉が、訪問の際の中心的課題になると思われていたが、教皇がシリアの紛争終結や双方の武装停止を求めることも期待されていた。教皇は、レバノンのキリスト者が、シリアのアサド大統領政権に対してだけでなく、自国の政治的ビジョンにおいても分裂してしまっており、団結するようにと呼びかけている。しかし、バチカンは、教皇が発言によるシリアへの政治的介入は避け、キリスト者にどこで協調がなされるべきかを伝えるだろう、と述べている。

<ラテン・アメリカの教会、エルサルバドルの和平プロセスを支援>(ENInews、サンサルバドル、9月28日)
ラテン・アメリカ教会協議会(CLAI)は、9月20~22日にサンサルバドルで開かれた会合の中で、エルサルバドルでの武装ギャング間の争いに休戦協定をもたらした和平プロセスに、支持を表明した。同協議会はまた、軍のチャプレンを務めたカトリックのファビオ・コリンドレス司教と、前エルサルバドル・ゲリラ司令官ラウル・ミジャンゴ氏が、和平プロセスにおいて仲介の役割を果たしたことを認めた。同協議会は、次のように語っている。「私たちは、すべての教会がこの取組みに参加するよう呼びかけ、また、神の助けを信じて、まだ始まったばかりのこのプロセスを、創造力と勇気をもって、提案します。そして、国際社会に対し、エルサルバドル人とメソアメリカ地域(メキシコおよび中米北西部の共通文化領域)のために、この重要なプロセスの保証人となることを求めます」。

<教皇、コンゴ民主共和国のために訴える>
(「バチカン・ラジオ」、ローマ、9月30日)
ローマ教皇ベネディクト16世は、9月30日(日)にコンゴ民主共和国の東部の平和を訴えた。カステルガンドルフォのバチカン宮殿に集まった巡礼者や観光客に、教皇は、同国で最近になって再び燃え上がった暴挙についての嘆きを表明した。この暴挙は、正規政府軍の活動が小康状態の間に、争いが激化してしまった地域の支配をめぐってのもので、反政府グループと非正規民兵軍の間で再燃している。この最近の戦闘により、9月の中旬以降、数千もの人々が自分の家を追われている。

<パキスタンのシンド州がカラチ市のイエス・マリアの姉妹会に土地を贈る>
(「フィデス通信」、 カラチ、10月3日)
ローマ教皇ベネディクト16世は、9月30日(日)にコンゴ民主共和国の東部の平和を訴えた。カステルガンドルフォのバチカン宮殿に集まった巡礼者や観光客に、教皇は、同国で最近になって再び燃え上がった暴挙についての嘆きを表明した。この暴挙は、正規政府軍の活動が小康状態の間に、争いが激化してしまった地域の支配をめぐってのもので、反政府グループと非正規民兵軍の間で再燃している。この最近の戦闘により、9月の中旬以降、数千もの人々が自分の家を追われている。

<パキスタンのシンド州がカラチ市のイエス・マリアの姉妹会に土地を贈る>
(「フィデス通信」、 カラチ、10月3日)
パキスタン南部シンド(Sindh)州政府は、イエス・マリアの姉妹会(the Sisters of Jesus and Mary)に、カラチ市の中心部にある土地を、99年間の拡張ローンで与えている。フィデスへの報告によると、この土地は、パキスタンでのイエス・マリアの姉妹会の教育事業をたたえて、政府が「無償の贈りもの」として与えられたものである。これにより、シスターたちは、1952年以来カラチ市で運営している女子校を拡大し、堅固にすることができる。また、シンド州の三つのカトリック病院は、固定資産税が免除された。タール砂漠の先住民のために経済的に低迷する都市部につくられた、ハイデラバード教区が運営する40の学校に対しても、政府は、免税を付与する用意をしている。政府は最近、洪水被害のあったparkari koli部族の30家族に、およそ2km2の土地と新住居を与えた。これは、ハイデラバードの聖エリザベト・カトリック病院が立ち上げた支援プログラムの一部である。シンド州知事は、パキスタン社会のなくてはならない部分として、カトリック教会の役割と存在をたたえた。

アルン デソーザ(イエズス会司祭)
村山 兵衛(イエズス会神学生)

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