カトリック 世界のニュース(166号)

<最新のキリスト者人口調査>
UCANews, 7月16日) 200カ国以上の国々に及ぶ広範な人口統計学調査によると、全世界のあらゆる年齢層を含むキリスト者の人口は、21億8000万人で、2010年の推定世界人口69億人のおよそ3分の1にあたる。世界中のキリスト者の数は、過去100年間で、1910年の約6億人から2010年の20億人超へと、およそ4倍になっている。  しかし、世界の総人口もまた、1910年の推定18億人から2010年の20億人へと、急速に上昇している。結果としてキリスト者は一世紀前の総人口に占める割合(35%)とほぼ同じ割合(32%)を今日占めている。 キリスト教は、サハラ砂漠以南のアフリカ地域とアジア太平洋地域で大幅な成長を遂げており、総人口に占めるキリスト者の割合は、前者の地域では1910年から2010年の間に9%から63%へと、後者の地域では3%から7%へと上昇した。

<インド、アッサムでカトリック教会が平和を呼び掛ける>
(Vatican Radio, 7月26日) インド東北部のアッサム州は、ボド族(インド北東とネパールに住む部族)とムスリムとの激しい衝突によって20万人のホームレスを生んでおり、国内で孤立した状態が続いている。双方の共同体の指導者は、ともに相手の責任を主張し、行政当局の怠慢にも非難を向けており、暴徒たちは殺害、放火、略奪騒ぎに奔走している。

<モンゴルの教会、20周年を迎える>
(Fides, 7月7日) モンゴルのカトリック教会は、20年でゼロから800人へと成長した。20周年記念は、ウランバートル・カテドラルでの特別ミサにて行われた。1991年の共産主義体制の崩壊時、モンゴルにはカトリック信者がいなかったが、1992年には、最初の独立自治宣教区(Missino sui iuris)が発足し、モンゴルとバチカン聖座との国交が成立した(現在モンゴル教会は知牧区)。同年、3人の最初の宣教師が到着し、カトリック信者は2006年までに、現地モンゴル人350人を含むおよそ600人となっている。現在、22の多様な国籍をもつ81人の宣教師と、13の修道会経営組織がある。現在、モンゴル人の若者2人が、韓国のテジョン・カトリック大学で司祭養成を受けている。

<キプロスでキリスト教会が掠奪される>
(Zenit.org. 8月21日) 隣国トルコの影響下で独立状態を保つキプロス島北部では、多くのキリスト教会が神聖を汚され、倉庫や博物館に様変わりし、モスクとさえなってしまっている。キプロス教会の総主教クリュソストモスⅡ世は、120の教会が被害に遭い、教会の芸術品も没収され、売られていると、第33回リミニ会議(イタリア)に伝えた。同総主教はさらに、全キプロスのキリスト信者もまた、信教の自由を奪われて、襲撃に苦しんでいると述べている。

<フィリピン、カトリック伝来500周年を祝う>
(Zenit.org.7月12日) キリスト教伝来500周年の記念を前にして、フィリピン・カトリック司教協議会(CBCP)は、新たな福音宣教の時代を迎えるにあたっての司牧書簡を発表した。司教たちは、フィリピンで洗礼を受けた最初のキリスト者の歴史をたどりながら、書簡の中で、1672年にグアムで殉教したフィリピン人カトリック宣教師、ペドロ・カルンソッドの列聖を思い起こしている。

<イスラム中傷容疑で拘留中のパキスタン人キリスト者の少女>
ロイター通信、8月23日 パキスタン人キリスト者の少女、リムシャ・マシーは、イスラム聖典コーランを焼いたことで近隣のムスリム住人から非難されている。事件は、同国の冒?法に新たな波紋を投げかけており、人権団体は、これが弱小マイノリティに対する、保守的イスラム国家の険悪な差別であると主張している。冒?法の下では、イスラムや預言者ムハンマドの悪口をいう者は、犯罪者として死刑に処されることになるが、人権活動家たちは、曖昧な用語が誤使用を招いていると、指摘する。マシーの逮捕が引き金となって、モスクの拡声器が彼女の行為に対する申し立てを告げると、彼女の住む貧しい村から数百人のキリスト者が脱出している。

<日本の警察は「信教の自由を尊重する」>
(UCANews, 7月19日) 5月27日、聖霊降臨の主日に日本の警察は、川崎市にあるカトリック貝塚教会に捜査令状なしで侵入し、不法滞在の容疑で一人の信徒を逮捕した。事件により、カトリック横浜教区と国の両レベルで抵抗が生じている。警察庁はこれに対し、信教の自由を始めとする基本的人権の尊重を呼び掛ける公式通達を全国の関係部署に行っており、このような事件の再発防止を呼び掛けている。7月12日付の連絡書で、警察庁の白川靖浩警視長は、事件を国家公安委員会と協議し、検討の上で、この公式通達を全国の警察部署に行ったと、池長大司教に回答した。

アルン デソーザ(イエズス会司祭)
村山 兵衛(イエズス会神学生)

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