「社会司牧通信」 略史 ―創刊200号を迎えて―

「社会司牧通信」 編集部

  1984年5月15日に創刊された「社会司牧通信」は、34年間にわたり発行を続け、今号でとうとう第200号を迎えました。長い間ご支援・ご購読いただいた皆さまに、スタッフ一同、心より御礼申し上げます。

  実は「社会司牧通信」には、その前身となる「Social Apostolate Letter (SAL)」というものが存在します。「SAL」は、B・ヴェクハウス神父のイニシアティブで1980年12月6日に発行が始まりました。イエズス会社会司牧センターが新宿区の河田町(かつての住所)に設立されたのが1981年4月のことですから、それよりも4か月も前のことです。Letterという名前の通り、これはいわばイエズス会員に宛てた手紙のような形で、日本管区の全会員と社会使徒職委員会との間の情報交換をめざし、月1回のペースで発行されていました。

  その後「SAL」は、1983年3月31日、第29号をもって終刊しました。その1年後の1984年5月、「社会司牧通信」という形に姿を変え、社会司牧センターの新しいニュースレターが創刊されました。その間、ヴェクハウス神父がドイツに帰国したため、「社会司牧通信」の編集・発行は、社会司牧センター所長の安藤勇神父と1984年4月から職員として働き始めた柴田幸範さんを中心に行われました。

  「SAL」がどちらかと言えばカトリック教会の社会教説や国内外の社会問題の神学的考察に重きを置いていたのに対し、「社会司牧通信」は、特に1990年代以降、カトリック内外の社会運動の現場からの情報をその中心に据えてきました。様々な現場からの「便り」はとても読み応えがあり、人気の連載記事でした。

  「SAL」同様、「社会司牧通信」も創刊当時はB5版でした。その後、第50号(1992年9月)を機に、A4版へとサイズを変更しました。

  「社会司牧通信」の大きな特徴の一つは、創刊当初から、さらには前身の「SAL」の時代から、日本語と英語の両方で記されているということです。日本管区のイエズス会員がそれだけ多様な国籍を有している(現在も20か国以上)からというだけでなく、日本の社会や教会の現状を、広く海外にも知らせるという役割も果たしているからです。

  「SAL」は、日本語版と英語版に分かれているのではなく、一冊の中で、奇数ページには日本語が、偶数ページにはその英語訳が載っているという形でした。創刊当時の「社会司牧通信」も、冊子の前半分は日本語版、後半分は英語版という形でした。現在のように日本語版と英語版を別々に発行するようになったのは、第52号(1993年1月)からです。

  社会司牧センターの公式ホームページが開設されてからは、「社会司牧通信」の記事の一部をHP上でも公開するようになりました。現在、第82号(1998年2月)以降のバックナンバーを掲載しています。それ以前の号に関しても、何らかの形で公開することができないか準備中です。

  また、創刊当時は当然ながら白黒印刷でしたが、カラー印刷機の導入に伴い、第170号(2013年4月)からはカラー印刷になりました。

  発行部数の変遷に関する正確なデータは残っていませんが、現在では、日本語版は約400部、英語版は約250部発行しています。近年、印刷コストや発送コストの値上がりなどもありましたが、年間購読料(年6回)は送料込1,200円のままの据え置きでなんとか発行を続けています。創刊当時から変わらず、未だに地味な手作りのニュースレターですが、これからも、読み応えのある内容、見やすい誌面づくりに努力していきます。そのためにも、ご意見・ご感想をぜひお寄せください。今後とも、ご購読をよろしくお願いいたします。

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