新所長就任のご挨拶

梶山 義夫 SJ
イエズス会社会司牧センター新所長(3代目)

  社会司牧通信を愛読している。中学校や高等学校、そして管区本部で仕事をしていた時も、楽しく読ませてもらっていた。正義の促進への関わりを根本的に問い直し、自らの召命を更新してくれる記事、仕事や生活環境から狭くなりがちな視野に新たな光を照らし、グローバルに考えるように導いてくれる記事、世界各地で困難な状況のもとで苦労しながらも、喜びをもって生きている会員や神のミッションに自らを捧げる多くの人々との連帯をもたらす記事、問題を深い視点から考えさせる良書をめぐる書評、そして社会司牧センターや社会使徒職に貢献した方の生き方を通して、私たちの奉仕の在り方を問いかける追悼文・・・。その通信が、会員一人ひとりの宛名を明記したシールを貼って届けられるので、確実に読むことができる。

  1980年12月から1983年3月まで刊行されたSocial Apostolate Letter、そして1984年5月に創刊され、今号で200号となる社会司牧通信は、日本管区の中で、また正義と平和のために奉仕する多くの人々に、時のしるしを識別するために良い材料を提供し続けてきた。長年にわたり編集者の責を果たされ、2011年8月24日に天に召された柴田幸範さんをはじめ、編集に携わってこられた多くの方々に心から感謝する。

  歴史認識、憲法、マイノリティ、障害、野宿者、労働環境、人身売買、外国人嫌い、心の問題、家族、国際状況、貧富の格差、戦争、ポピュラリズム、移民難民、環境、グローバル化、虐待、ハラスメント、高齢化、基地、信教の自由、教会の刷新などの多様な課題を、この通信は取り上げてきた。その取り上げ方の基本は、希望、愛、平和、正義、和解など、イエスの説く神の国の福音である。神の国のためにこそ、これらの課題、そして新たな課題を福音の視点から取り上げなければならない。

  任命を受けて、2018年4月から社会司牧センター所長となった。この通信が多くの人々の奉仕に役立つことができればと願って、微力ながら奉仕したい。

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