ベトナム・ホーチミン市のド・マン・フン司教へのインタビュー

〈聞き手・文責〉 安藤 勇 SJ
イエズス会社会司牧センタースタッフ(移民デスク担当)

  ベトナムのホーチミン市のド・マン・フン補佐司教が2017年9月に来日しました。イエズス会の二人のベトナム人新司祭(ディン神父とニャー神父)の司祭叙階式のためです。その機会にイエズス会社会司牧センターにも招き、インタビューしました。

  私たちはド・マン司教に、ベトナムの状況について聞いてみました。人々が地方から都市へと移動している中で、現地のカトリック教会はその現象にどのように反応しているのでしょうか? 一方、日本はベトナムから何万人もの若い人々を受入れていて、その中には多くのカトリック信者もいます。日本で働くにあたって、彼らに特別な配慮がなされているのでしょうか? あるいは、彼らと取り組んでいる人たちとの調整する動きはあるのでしょうか?

【問1】 ベトナム司教協議会での役割と働きについて教えてください。

  私は、移住移動者の司牧のための司教委員会を担当しています。ベトナムのカトリック司教協議会の相談所です。私たちの事務所には国内の、特にホーチミン市の移住者の状況を評価し分析するチームがあり、効果的な司牧活動のために、司教協議会に助言や様々な提案をしています。

  ホーチミン市(旧サイゴン市)の場合を例にとりましょう。南ベトナムに位置するこの市は、約800万人の人口を有しています。そのうち70万人がカトリックです。さらに、仕事や就学の機会を求めて、あるいは新たな生活を目指して地方から出てきた500万人の移住者がいます。

  私たちは、市内のほとんどの小教区に支部を持つカリタスベトナムと協力しながら、移住者の実際の状況や問題を知るために、彼らと接触を試みています。また、統計学的な研究を行い、彼らの状況を分析しようとしています。最近、私たちは移住者のための司牧ガイドを作成し、司教協議会からの承認を得ました。新しい取り組みとしては、他国の司教協議会がその国で離散状態にあるベトナム人たちと接触を始めました。

 
【問2】 国内の移住者だけでなく、海外への移民労働者について、何か心配事はありますか?

  この移民問題について、私たちは多くの課題に直面しています。私たちの立場は、司教協議会や他の同様な協議会との間で緊密な協力体制のもとで働くことです。実際に、すべての司教協議会は移民移住者のための特別な事務所と委員会を持っています。私は、日本とベトナムの司教協議会の間で協力体制を確立するための実践的な方法を探るために日本に来ました。ベトナム人移民が容易にアクセスできる場所や人材が必要です。日本には20万人以上のベトナム人が働きに来ていると聞いています。一方、ベトナムには約10万人の日本人がおり、私たちのホーチミン市司牧センターでは毎月、日本人のためのミサを行うようになりました。私たち両国の司教協議会は、これを正式に承認すべきです。

  私はちょうど、日本の司教協議会の中で同様の事務所を指揮している松浦司教に会い、ベトナム人労働者の課題に司牧的に対応する方法について話し合いました。私はイエズス会の日本管区と、あなた方イエズス会社会司牧センターの働きに感謝しています。同じく、高山親神父の神戸での働きにも感謝しています。1980年代のボートピープルの到着から現在に至るまで、移民労働者や学生を歓迎してくれているカトリック教会の寛大さに感謝せざるを得ません。私が日本に滞在していたわずかな間、日本でベトナム人が直面している困難、誤解、そして虐待を知らされました。しかしその一方で、教会は彼らの多くが日本社会に統合するのを手助けしており、そのキリスト教信仰を強めることを助けている事実が知らされました。

  私たちはいくつかのセンターを持つ必要があります。移民労働者や学生が自由に来て、指導や専門的なアドバイス、宗教教育を得られ、生活共同体を形成できる一種の中央事務所のようなものを創設する方法を探す必要があります。私は、日本にいる多くのベトナム人司祭や修道者が、そうしたベトナム人共同体を信仰と社会的能力のうちに育てるために、その寛大な支援を続ける準備ができていると理解しています。私たちベトナムの司教協議会と日本の司教協議会の間である程度の合意に達するのであれば、場所の提供も得られるでしょう。しかし、もちろん、この計画を実施するためには、私たちのスタッフを訓練し、必要な資金を得るための多くの支援が必要です。

 
【問3】 両国の教会がどのように協力できるのか、そのビジョンを教えてください。

  私が想像している協力体制は、主に次の三つの領域です。
 ・ベトナムにいる日本人専門家と日本にいるベトナム人専門家のための司牧プランを支援する。
 ・神と教会の顔を、愛に満ち、いつくしみと真心を通して示すことで、こうした専門家への福音宣教を目指す。
 ・移民の支援に参加している若いボランティアの間で、司祭や修道者への召命を促進し励ます。

 
  インタビューしていただいて、どうもありがとうございます。あなた方の手助けのおかげで、私の旅がとても実り多いものとなりました。

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