東ティモールから

村山 兵衛 SJ(神学生)

183_11  私は今年の2月まで、本誌の「カトリック世界のニュース」を担当していた、イエズス会の神学生です。現在は東ティモールでの2年間の中等教育の使徒職に派遣されて、現地のイエズス会系の学校で働いています。養成中の身でもあり、様々な試練のなかで恵みを見出して、人々へのさらなる奉仕とコミットメントを学んでおります。
  東ティモールは、今世紀(2002年)に独立を遂げた、若くて小さな国家です。南半球にあり、オーストラリアとインドネシアの間に位置していますが、日本との時差はありません。ポルトガル(16世紀~1975年)、日本(1942~45年)、インドネシア(1975~2002年)による植民地支配という過酷な歴史を背負いながらも、治安の安定を取り戻してから10年弱の現在は、独自の持続的な開発の道を模索しています。
  面積は日本の関東4都県とほぼ同じで、人口は現在約120万人、うち50%以上が20歳以下と報告されています。戦争のつめ跡が残る中で、出生率は実に5.7%(National Statistics Directorate, Timor- Leste in Figures 2012)です。ちなみに、国民の95%以上がキリスト教徒で、ほとんどがカトリックです。
  到着後しばらくして、私は郊外の村落に約10日間滞在しました。電気・水道・ガス・電話・インターネットが当たり前の日本の生活とは、180度異なる体験でした。住居も食事もとても質素ですが、人々は実に陽気で親切です。日曜日には、村中の人がミサに集まります。
  東ティモールは、独立後の復興と開発、特に青少年の教育を喫緊の課題としています。そうした中で、和解と信仰への奉仕、並びに正義の促進のために神が私たちイエズス会の仲間に何を望んでおられるか、探し続けていきたいと思います。

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