福岡のカトリック司牧センター

ヨセフ メディナ SJ
美野島司牧センター協力司祭

minoshima_pastoral_center  戦後、博多区の美野島は福岡で最も貧しいところでした。外国人や戦争から引き揚げてきた人が多く暮らし、社会からはみ出した人々も住んでいました。那珂川の洪水を防ぐ堤防がつくられ、美野島に日本人も多く住むようになりました。1952年、パリミッション会は美野島の地に、木造の聖堂と民家を建てました。それが新しい小教区、美野島教会の誕生でした。隣にはカトリックの幼稚園もつくられました。
  やがて教区の方針が変わり、スペイン語を話す外国人のための司牧の場がなくなってしまいました。パリミッション会は、美野島小教区を大楠小教区に併合させ、美野島教会は1994年に「美野島司牧センター」として生まれ変わりました。所長はパリミッション会のコース・マルセル神父で、イエズス会の故セトアイン神父(2003年帰天)が長年、スペイン語を話す人々のために協力していました。

  私は、2007年から司牧センターの協力をしています。センターではラテンアメリカ、特にペルー人の信徒のために、日曜日の午前11時からスペイン語のミサがあります。説教はスペイン語と日本語でしています。移住者の子どもの中には、日本語しか話せない子もいるからです。また、他の国、カメルーン、ナイジェリア、タンザニア、ベトナム、中国などの人も来ています。
  ミサが終わってから、お茶を飲んだり、昼食を食べたりしながら話をする時間もあります。相談に乗ったり、日本や外国の料理をつくったりもします。子どもたちの洗礼や初聖体、堅信の準備もします。

  司牧センターには、DARC(ダルク:薬物依存症者リハビリ施設)があります。現在、14人の男性が寮で暮らしながらリハビリに励んでいます。九州DARCの本部はこのセンターの中にあり、長崎、熊本、宮崎、大分、佐賀、鹿児島に支部があります。年に二回、総会とクリスマス会には、OBたちも含め200名近くの人が集まります。
Q-DARC  また、私が結婚式や葬式(悲しいことに自殺で亡くなる方が多いのです)、洗礼式などを行うと、外国人労働者やDARCの方々が大勢参加してくれます。彼らが参加すると、みんな喜んでくれます。
  その他に、ホームレスの集いにも参加しています。ただし、ホームレスの方々はとっても無口な人が多いので、彼らとあまり話すことはできません。
  センターの協力者はたくさんいますが、カトリックの信者よりもプロテスタントの信者の方が多いです。仏教徒もいます。諸宗教対話のための素晴らしい関係が築かれています。

《美野島司牧センター》
 〒812-0017 福岡市博多区美野島2丁目5-31
 Tel: 092-431-1419  Fax: 092-431-5709
 http://www.pastorama.com

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