カトリック 世界のニュース(180)

教皇フランシスコ、宗教間対話を呼びかけ、中東・アフリカからの青年難民と会う180NEWS01
  12/1(Vatican Radio):教皇フランシスコは3日間のトルコ訪問の中で、コスタンティノポリスのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世とともに、キリスト者一致へ向けての決意を表明しイスラムとの建設的な対話を呼びかける共同声明に署名した。訪問の最後に教皇は、シリアやイラクなどの中東およびアフリカ諸国からの難民を含む約50人の青年グループと面会した。青年たちはイスタンブール市内の地元サレジオ会共同体から世話を受けている。あいさつの言葉の中で教皇は、彼らと苦しみを共にすることを約束し、大勢の難民がそこで生活を余儀なくされ、「耐えがたい」と呼ぶひどい状況に嘆きを表わした。

インドネシア:スマラン大司教、「信仰の違いを越えて共通善に奉仕せよ」
  11/28(Agenzia Fides):インドネシアのジョコ・ウィドド大統領がキリスト者(プロテスタント)のアホク氏をジャカルタ知事に任命するという決定を受けて、スマラン教区プジャスマルタ大司教は、「組織を担う政治的職務につく者は、自分の個人的信仰や民族性を越えて、人々に奉仕し、共通善を促進するよう呼ばれており、市民は指導者を、その宗教ではなく手腕とノウハウとプロ意識によって選ぶ必要がある」と述べた。アホク氏(48)は、同職を担う初の中国系インドネシア人で、2017年までジャカルタ知事を務める予定。イスラム過激派グループの中には、アホク氏を批判し「イスラムの敵」と呼ぶものもあるが、多くのイスラム指導者たちは彼の「正直、規律、透明性」を評価してこの人事を支持している。プジャスマルタ大司教はカトリック者がアホク氏のために祈るよう呼びかけている。

「レイシズムを終わらせるためのコミットメントに再び火を」――アメリカの司教語る180NEWS02
  11/25(CNS): 10代だったアフリカ系アメリカ人、マイケル・ブラウンさんを射殺した白人警察官を起訴しないという大陪審の決定を受けた11月24日、ミズーリ州ファーガソンでの混沌と暴力の場面は、米国で起きているいっそう深刻な問題を明らかにした。「黒人と白人の間に存在する人種的分裂は、このような悲劇が起こるときにしか適切に扱われない」と米国黒人カトリック会議会長でもあるフロリダ・ペンサコーラのジョン・H・リカード引退司教は述べる。ジョン司教はまたこの問題が「暴力の行使と警察の反応について双方の問題を提起する」と語り、この国には「アフリカ系アメリカ人たちに対して一貫した過剰な力の行使のパターン」があるように見えると付言する。

コンゴ民主共和国:女性と子どもへの暴力と虐待
  11/20(イエズス会難民サービス):国連総会が子どもの権利条約を採択して25年たった今も、武力や武装集団による子どもたちへの広範な虐待が懸念され続けている。コンゴでの武力紛争から子どもたちを守るために重要な進展があったとはいえ、少年徴兵を食い止め、元少年兵へのサポートを改善し、犯罪者の処罰が始められるまでには、長い道のりがまだ残っている。
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  11/25(Agenzia Fides):コンゴ民主共和国の司教団は、女性に対する暴力撤廃のための世界デー(11月25日)のメッセージの中で次のように述べる。「我が国は…まず女性たちへの支援、そして困難にある彼女たちへの同伴を通して、彼女たちの権利が認められるだけでなく、現実に満たされる社会の確立を目指す必要があります」。シスター・テレシナ・カフィ(ザベリオ会)は既に2010年に次のように述べている。「女性たちはコンゴ共和国東部で20年も引きずっている戦争の標的にされています。… 私たちが問題にしているのは、激しい衝動に駆られて若い女性を乱暴する個々の兵士ではなく、人々を心理的に破壊するために組織的に用いられる性暴力なのです」。

村山 兵衛(イエズス会神学生)

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