朴正煥 SJ

  司祭叙階後、私は2010年台湾で、司祭としての初めてのミッションを開始しました。それは若者への司牧活動と召命促進活動でした。率直に言うと、そのときまで私は若い人との交流経験がほとんどありませんでした。したがって、私は多くのことを学び、そのミッションに私自身も馴染む必要がありました。
  私は2年半、活動しました。その間、召命促進活動の他に、たくさんの活動に加わりました。例えば、スペインのマドリードで開催されたWYD(the World Youth Day)2011、中国カトリック学生会スピリチュアルキャンプ(the Chinese Catholic Student Association Spiritual Camp)、台湾若手聖職者会議(the Taiwan Youth Ministers’ Meeting)(年に2回開催)、台湾若者デー(the Taiwan Youth Day)等です。平日には、聖書の分かち合いの会や、CLC(Christian Life Community)、そしてカトリック学生と共に歩む会(accompanying Catholic students’ group)といったグループの集まりがありました。
taiwan5  今、その時を思い出すと、私は多くの困難に直面しましたが、同時に、それ以上の素晴らしい思い出と成熟を手に入れたと考えています。私が直面した主な困難とは、若い人たちを理解することでした。なぜなら私はそれ以前、若い人との交流の経験がほとんどなく、また20年の年齢差がありました。かなり長い間、若い人たちの行動の仕方、話し方、考え方を理解することは簡単なことではありませんでした。私は彼らの生活の喜びや痛みを見出そうとしました。ときには、彼らの行動が理解できず、彼らに腹を立てました。私は彼らと友達になる方法が分かりませんでした。
  しかし、共にときを過ごし、小さなグループや活動の中で日常生活を分かち合い、とりわけ個人的な会話を通して、私は少しずつ彼らを理解するようになりました。彼らもまた少しずつ、心配事や絶望、そして家族の問題などを明かしてくれました。
  時が経つにつれて、私は彼らと一緒にいること、一緒に活動を計画することが好きになっていきました。私をもっとも幸せにし、慰めたことは、若い人たちの成長を見ることでした。彼らの心は、善によって、また悪によってもたやすく形作られる粘土のようなものでした。私は少しずつ、しかし深く、ミッションとしてこの活動を引き受けました。
  私は若い人たちとの活動を楽しみ、またバスケットボールのようなスポーツを通して彼らと友達になりました。忘れられないのは、台湾で若い聖職者たちと協力したことです。台湾は小さな国であり、若いカトリック信徒はとても少ないです。私たちは、容易にキャンプで会うことができ、お互い知り合うようになりました。司教区や修道会は喜んで協力してくれました。これは台湾の若者への司牧活動のひとつの特徴です。
  初めのころ、新司祭だった私は司祭としての仕事の仕方が明確にはわかっていませんでした。若い人たちは私に司祭の生き方を教えてくれました。私は学びました。私を友達として扱うことで、彼らは喜んで自分のことを明かしてくれました。彼らは私に、新司祭としての自分自身の心配事や問題を分かち合う機会と勇気を与えてくれました。彼らは注意深く聞いてくれ、私を励まし、信頼してくれました。私たちは、ときには涙を流して、お互いに自分たちの本当の人生を分かち合いました。
  このミッションは、私をいい意味で変えてくれました。しかし若い人たちは、私の先生であり、また友達でした。私は今、東京で日本語の勉強をしているところです。私の机の上にはかわいい台湾人の女子学生と私が笑っている写真が置いてあります。日本に来る前、彼女は私に、「私のことを忘れないで。あなたは私にとって世界で最もハンサムな人です」と言ってくれました。それは間違いなくうそです。しかし私は若い人たちからたくさん愛されていると感じます。私は彼らを愛しています。彼らに会えないのを寂しく思います。