下関日韓脱原発平和懇談会(2013年9月末)

光延一郎

イエズス会の下関労働教育センター(林尚志神父)で開かれた日韓脱原発平和懇談会に行ってきました。日韓のイエズス会員をはじめ、原発問題に関心のある人々が集まりました。

飯田哲也氏や玄海原発廃止訴訟にかかわっておられる弁護士さんの発題などがあり、韓国カトリック教会の原発問題への取り組みの現状が紹介され、とても有意義なものでした。

飯田哲也氏は、「富国強兵」で始まった日本の近代化は、1945年で軍国主義が滅び、2011年の「3.11」で経済至上主義が滅び、まったく新しいものに変わるべきだったと言います。そんな中で、しかし今の安倍政権などは歴史の正義からすれば、一瞬の泡のようなものだと言っておられました。原子力はわずか数十年しか続かないエネルギーのためにその何十倍、何百倍の年月、未来世代に負担を強いる非道徳なものですが、それはすでに世界を見渡せば、これに代わる再生可能エネルギーの飛躍的な伸び(第4の革命)によって歴史から葬り去られ始めている…。これが歴史の実相。だから、私たちは雪原にまかれた種のように、来るべき春を形成するべき姿を具体的に準備すべきだ…、とのお話でした。

韓国では、原発関連で今具体的な反対運動が起こっていてカトリック関係者がかかわっているのは、新原発計画のある東北部・江原道のサムチョク(三陟市)市と、釜山の近くのミリャン(密陽)市での山の中の送電線建設を阻止しようとする村人たちのたたかいです。

特に、ミリャンの送電線建設現場は10月に入り、韓国電力が警察の力も借りて工事を強行しようとしており、事態は緊迫しています。この送電線は、釜山の近くコリ(古里)原発に新しい原発を建設するための準備ですので、村人たち、とくにおばあさんたちが木の枝に首つり縄をぶらさげ、墓穴を掘ってブルドーザーの前に座り込むなど激しい抵抗をしています。「いのち」を守ろうといのちがけのおばあさんたちの気迫に圧倒されます。

密陽のおばあさんたち
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2013/1380721551064Staff

カトリック教会は原発問題にも積極的にかかわっています。

「故郷の春」を歌いながらデモするカトリック司祭、修道女ら(三陟市)

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