カトリック 世界のニュース(173)

教皇フランシスコ、「回勅Pacem in Terrisはより良い平和な世界のための手引き」
バチカン、10月3日:(バチカンラジオ)カトリック大学および諸機関、国連、および他の国際機関からの専門家が、教皇庁正義と平和評議会の呼びかけでローマに集まった。今日さらなる平和な世界を推進するにあたって、福者ヨハネ二十三世教皇の冷戦時代の回勅「パーチェム・イン・テリス」(地上の平和)の妥当性を議論するためである。教皇フランシスコは、1963年に発表された同回勅の50周年を祝う参加者に、同回勅は「極めて現代的」で、今日の世界の平和構築への手引きの役を果たせる、と語った。

ラオスの一部地区でキリスト者追放の脅威
ラオス、9月26日:(Zenit.org)Fides News Agencyの報告によると、ラオスのある地区に住むキリスト者が、信仰放棄か追放という選択を迫られている。この措置は、複数の村で起こっているキリスト教改宗者の増加に伴ってAd-saphangthong地区の行政当局の懸念が深まる中で取り決められた。
キリスト者たちはこの決定を拒否し、信教の自由はラオスの憲法で保障されていると言っているが、行政当局は9月21日、Huay村の「すべての宗教の人々」が出席したという会議でこの措置を発表した。キリスト者たちは、自らの信仰を放棄するよりはむしろ追放を甘受する、という決意をも表明している。

内戦で移住を強いられたシリア人のニーズに答える機関の拡大
 シリア、9月24日:(CNS)諸国の政府及び非政府機関は、内戦によるシリア人口ほぼ三分の一の避難移動で生じたニーズや緊張への対応に苦労している。様々なレベルで活動にかかわるカトリック系機関の代表者たちがCNSに語るところでは、彼らのプログラムは子どもたちが確実に学校に行き、心理的トラウマの治療を助けるだけでなく、食品、水、住宅、医薬品などの生存基盤を提供するものだという。シリア人口2200万人のほぼ三分の一は、内戦によって避難を強いられているとされる。その中には、一般に難民といわれる推定200万の国外退去者と、退去を余儀なくされたがシリア国内にとどまる約500万の「国内避難民」と一般に呼ばれる人々が含まれる。

米国の司教、フードスタンプの資金削減の動きに反対
ワシントンD.C.、9月12日:(Zenit.org)米司教団の「国内正義と人間発達委員会」の議長は米国下院に、以前フードスタンプ(困窮者のための食品割引切符)として知られていた「栄養補足支援プログラム」(SNAP)の、400億ドル削減案を受け入れないよう催促した。カリフォルニア州ストックトンのS・ブレーズ司教は、同プログラムを「国民の飢餓に対する最も効果的かつ重要な連邦政府プログラムの一つ」と呼んでいる。

バチカン、「戦争は常に人類にとって敗北」
バチカン、9月9日:(JRS News)何万人もの人々が9月7日に、教皇フランシスコが募ったシリアの平和を叫び求める呼びかけに応えた。世界中のキリスト教徒と非キリスト教徒が同様に徹夜でこだました呼びかけである。バチカンによると、10万人がサンピエトロ広場でのこの行事に参加し、一週間前に提案されていた軍事行動以来、シリアの平和のために西側で行われた最大規模の集会の一つとなった。
教皇フランシスコは5時間に渡った夜半の祈りの大半を沈黙のうちに過ごしたが、話すときには戦争の不毛さと危険性、人間の義務、及び諸国政府がシリア問題で交渉による非暴力的な解決策への道筋を計画する必要性を強調した。さらに教皇は、講話の中で平和への嘆願を表明し、「暴力、無関心、紛争への」扉を開いて「支配と権力の偶像に心を奪われている」者たちを非難した。

アルン デソーザ SJ(司祭)
村山 兵衛 SJ(神学生)

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