カトリック 世界のニュース(171)

イランのキリスト者の囚人は緊急手術みとめられず
(5月8日Mohabat News)昨年の逮捕以来シラーズに拘禁されていたヴァヒド・ハッカニ氏は、刑務所の医師に緊急手術(消化器系の内出血)が必要と言われたが、当局は病院への搬送を行なわなかった。彼は2012年2月、他の多くのキリスト者とともに教会の家庭集会で逮捕された。容疑は海外のキリスト教団体との接触、反政権扇動、および治安かく乱であった。

ローマで母の日に40,000人が「いのちの行進」
ローマ(5月13日Zenit.org):米国プロ・ライフ・ムーブメント(生命保護運動)に属する著名人たちを含む推定約40,000人が、いのちの保護の行進に参加するために5月12日にローマに集まった。教皇フランシスコは一般謁見演説の中で、”One of Us”イニシアチブと呼ばれる人工妊娠中絶問題終結の世界的な嘆願に注意を喚起した。

ミャンマー:CSW詳細報告による深刻な人権侵害
ミャンマー(5月13日csw.org.uk):キリスト教連帯ワールドワイド(CSW)は、ミャンマーでの人権に関する新たな報告書を発表した。報告書は、メディア・市民社会・政治活動家のために「大幅に拡大した自由」と、一部における表現の自由の改善とを含む、国政変化の兆しを厚遇している。しかし「時期尚早な陶酔」には警鐘を促し、特に信教の自由を含む人権保護に関して、多くの深刻な課題に注目している。

インドの人身売買、児童労働に対する新プロジェクト
メルボルン(5月20日Agenzia Fides):毎日多くの子どもが拉致され、家族によって売られ、家事労働や売春に利用されている。多くの子どもが、ただ生き残るために路上で物乞いをすることを余儀なくされ、なかには闇市場への臓器販売を強制される子もいる。
カトリック・ミッション・オーストラリアは、「2013信仰宣布キャンペーン」(テーマ:「恐れるな。私があなたを救う」)を促進している。数ヶ月後に同組織はオーストラリアの全小教区で、インドをはじめとする世界中の子どもの人身売買と児童労働の、絶望的な現実に対するミッションの応答を始める。集められた寄付金はすべて、世界160ヶ国以上の国にある共同体とカトリック・ミッションの活動資金となり、小教区全体の司牧活動のサポートに充てられる。

キリスト者の連帯への道のり――シリアの難民への援助
エルナクラム(5月22日Agenzia Fides):インドのキリスト者がシリアの同胞のために結集している。シリアでは内戦開始以来90,000人以上の犠牲者と難民が増加し続けている。この憂慮すべき状況に対し、アンティオキアのシリア正教会総主教区とつながるインド・ケララ州ヤコブ派教会は、シリアのキリスト教共同体への支援の人道援助募金を立ち上げた。 教皇、「余山の聖母」の祝日に中国の信者のために祈る バチカン市国(5月23日Agenzia Fides):教皇フランシスコは世界中の信徒に、上海余山(シェシャン)の教会で崇敬される、聖母マリアの記念典礼を祝う中国カトリック信者のために祈るよう、呼びかけた。5月22日の一般謁見演説の終わりに教皇は、「わたしは世界のすべてのカトリック信者の皆様にお願いします。中国にいる兄弟姉妹と心を一つにして祈ってください。そして、死んで復活したキリストをへりくだりと喜びをもって告げ知らせる恵みを神に祈り求めてください」と語った。

教皇、自由市場の規制を求める
(5月25日The Tablet):教皇フランシスコは、側近たちが世界的な金融・経済危機に関する教皇最初の主要演説として記したものの中で「拝金主義」と抑制なき資本主義の「暴政」を厳しく批判する。教皇はキルギスタン、中米アンティグア・バーブーダ、ルクセンブルグ、ボツワナから4人の新しい大使を教皇庁に歓迎する5月16日の演説の中で、次のように述べた。「この不均衡は、市場や金融投機の絶対的な自律性を維持するイデオロギーの結果によるものですから、自ら共通善をまかなう責任をもつ国家の制御権を否定するものです」。教皇はまた、世界的金融危機の「究極の起源」が、「金融・経済の世界において人間中心の倫理を欠いていることにある」と主張している。
ヨーロッパ最大の経済を指揮するドイツのメルケル首相が現われ、教皇の広範な分析を裏付けた。「危機が膨れ上がっているのは、ソーシャル・マーケットのルールが守られていないからです」と。メルケル氏は18日(土)にバチカンで教皇との50分間の会談後、記者団に、「教皇フランシスコは、我々が堅固でフェアなヨーロッパを必要としていることを明らかにしました。このメッセージはとても心強いものです」と語った。

アルン デソーザ(イエズス会司祭)
村山 兵衛(イエズス会神学生)

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